湯っこやのみなみさん。

吉原遊女ほのぼの見聞録

ふたたび新潟へ・レストラン編

偶然出会えたイタリアンレストランのお話です。

Atelier CHIANTI

ポピュラーな赤ワイン、キャンティの名を冠したこちらのお店。

普通にほぼ黙って出てくるイタリアンコースだろうと思ったら、これが全く普通ではなかったのです。良い意味でね。

少々体調に自信がなかったためノンアルコールペアリングのコースを訪問予定の5日ほど前に予約して行きました。

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一晩6席のみのカウンター。オープンキッチンになっています。

18時からの一斉スタート制で、川又さんというシェフが挨拶をしてくださり、それから一品提供ごとに解説が入ります。

シンプルで素晴らしいプレゼンテーションで、自分が言うのも烏滸がましいですが、ただの料理人ではないな…、と。とはいえ変なあざとさがあるわけではなく、ただ気さくで真摯な人なのだろうと思いました。

南蛮海老とシャインマスカット、上に載っている泡はトマトの出汁。色々組み合わせが意外ですが、きちんとおいしく着地していて不思議です。

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亀田の柿の種(!)をまとった鰹のフリット。下にはわさび菜。
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12品のお料理とドリンクが少量ずつの構成なのですが、隣の隣の席の人が「次に何が出てくるか全く読めないけど楽しみ」とぽつり。おそらくその場の全員が「それな」ってなっていたかと。

食材は佐渡で栽培されている黒いちじくや、芽ネギなど勉強になる知識がたくさん。

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そしてドリンクの本気度がすごいのです。

お茶やスパイス等予想もしないような組み合わせで、合わせる料理によって甘味や香ばしさ、爽やかさ、あえて苦味やえぐみを出したり、相当な研究と計算を重ねられているのがわかります。

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ジャスミン茶とクラフトコーラを組み合わせたドリンクはずっとかいでいたいような、夢のような香りでした。
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私はお酒、あってもなくても楽しめるのですが、一般的にノンアルコールだとちょっと妥協感があったりして、なんとかできないかな、と以前レストランで働いていたときから感じていました。たまに残念でもないのに「飲めないの?残念」とか言われたり…。

そんなモヤモヤと疑問に、今回思いがけず新潟で究極の正解を見せていただくことになりました。

またそれ以前に、シェフの人を喜ばせようとする思いが伝わってきて、とても嬉しかったです。ちょっと泣きそうになってしまったくらいでした。

「Atelier」とお店の名前に入っているのも、創作の場のような飲食店に、ということで、その言葉通りだなぁと納得したのでした。

いつかまた新潟に行く機会があったら必ず再訪します!