お花見シーズンも終盤の春の日、吉原のお祭りが開催されたので見に行ってみました!
第十九回浅草観音うら・一葉桜まつり
コロナ禍を乗り越えて4年ぶりの開催だそうです。
4月8日の開催予定が雨天のため9日に延期となりましたが、当日は晴れ空の下、たくさんの人が集まっていました。
廓遊びの再現
ステージ前もなかなかの人だかり。センターに座っているのが遊女の最高位、太夫(たゆう)です。
お姫さまの姿を一目見ようと、目いっぱい背伸びして人波の隙間から見ることができました。
ステージではいわゆる「初会(しょかい)」、初めて訪れたお客さんとのやりとりが再現されていました。
花魁や太夫は単なる遊女ではなく、教養や音楽などの素養も求められました。お客にもそれに応じ独特の作法やマナーがあったとのことです。なんだか茶道にも似ています。
一見堅苦しく難しそうですが、人がかっこよく美しく見えるようにうまく考えられていて、なかなか合理的なものだと思います。
立ち居振舞いや問答がカッコ悪いよりは恰好良い人に惚れる可能性の方が高いよね、というわけですね。わたしも気をつけなくては…。
圧倒的上から目線
ステージで行われていた初会のやりとりでは盃を酌み交わす儀式があり、お客さんから勧められた盃を太夫が受け取ったときにお客として受け入れる意思表示とされるそうです(受け取らなかったらお断り)。
意外な所で男女の同意のリテラシーが垣間見えたのと、こういうシンプルなサインっていいな、と思いました。
お姫さまが上座に着いていて、どうやら圧倒的上から目線のような感じです。男尊女卑の風潮が強かった社会において本当に特別な存在だったのですね。
とはいえ、華やかに見えてかなり光と闇のある世界ではあったのは確かでしょうけれども。
おいらん道中
ステージのあとに花魁道中の往路があり、早めに見学ゾーンを確保して待機しました。間近に見ることができ感激でした…!
外八文字(そとはちもんじ)という、花魁独特の歩き方。とても難しそうですが、ゆったりと優雅な動作が美しいです。
吉原狐舞。獅子舞ならぬ狐舞ということで、かつては吉原の街で大晦日に現れて、厄落としと新年のお祝いをしていたそうです。
周辺を散策
会場を横切る千束通り商店街周辺をうろついていると、期間限定でオーストリア政府観光局のお店がオープンしていたのでのぞいてみました。
尖った細長いパンとはちみつを買いました。
ガーリックバターたっぷり
ハチラベルが愛らしいはちみつ
パンはこちらの公園で食べました。
お祭りの解説で語られていましたが、歌舞伎や落語など日本の伝統芸能において、吉原の廓でのストーリーは欠かせない要素となっているそうです。
そんな土地に来られたことをちょっと嬉しく思いつつ、吉原をよい場所にしていけるよう、わずかでも力になれたらなぁ、なんて改めて思った1日となりました。
ではまた〜。