湯っこやのみなみさん。

吉原遊女ほのぼの見聞録

美しく燃える担々麺

四川料理が日本向けに変化した素晴らしい発明品、担々麺。最近どうも中毒気味でございます。

 

辛い麺はもうしばらくいいかな、と思った翌日翌々日また赤い山椒の良い匂いにつられ向かってしまうという有様…。

 

春は香りの強いものがうまいと言われるせいか、山椒や花椒の香りにもつられがちです。

最近出会った美しい花椒味が楽しめる2軒をご紹介しますね。

 

①金蠍(きんかつ)

所在地は港区虎ノ門日比谷線神谷町駅のすぐ近く。

 

所用で東京タワー付近へ訪れた帰り、まずは近くの愛宕神社を訪問。

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鯉さん餌付けされすぎなのか、人間が近づくとすごい勢いで迫ってきます(ヒェ)。

オロオロと逃げるように石段を降り、桜田通り・神谷町駅方面へ向かいます。

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すき家のお隣に赤地×金字のいかにもそれっぽい店構え、ガラスドアにクールな蠍マークがついています。

 

14:40くらいの半端な時間は混雑もなくスムーズに店内に吸い込まれることができました。

 

汁なしの赤い担々麺。

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麺は少し平たくて艶々で、もちもち感がかなり強いです。

辛さのあとにカシューナッツの食感やタレの程よいギトギト感が脇を固め、着々とおなかを満たしてくれます…!

花椒の痺れ感が強めだが、あくまでも上品な香りで、各要素が美しく強く仕上がっています。

 

 

②175°DENO担々麺(ひゃくななじゅうごどデノたんたんめん)

本店は札幌にあり、東京都内では銀座、西新宿、本郷、神田に支店を構えています。

 

175°(C)というのは特製辣油を仕込むときの温度だそうです。

揚げ物の温度くらいですが、あえて175℃、らしいです。料理は化学的要素がありますから、きっと何かケミカルな根拠があるのでしょうか。

 

銀座の所用の帰り、LOFT前の路上白枠に車をとめて店へ走ります。

 

汁あり担々麺。

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こちらは別の日の(リピートしてる)、汁無し・麺中盛り。

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素敵な彩りに、花椒がバサバサ振りかけてあります。

スープがあっさりこってりから選ぶことができ、白湯ではなくクリアな方の、「あっさり」をいただきました。

サラサラピリピリ、味わいながら汗が流れてきます。

そういえば担々麺って動物の匂いがしないラーメンで、花椒の香りに文化的なものを感じます。

 

わたしは3歳くらいから盛岡冷麺という食べ物で激辛に馴染んで育ってきたわけでして、辛味というのは「味覚」とはまた別のものであるらしい(生理学的定義に基づく味覚は、味覚受容体細胞にとって適刺激である苦味、酸味、甘味、塩味、旨味の、「五基本味」)です。

辛味による神経刺激として生じているのは「痛覚」、痛みなのですね。

 

わざわざ痛いことをする、って自分には無い概念だったが、なんとわたしは痛みを求めて彷徨っていたのでしょうか…?

 

そのへんはおそらく食べもの限定の話になりそうですが、唐辛子の温かいお腹でシトロエンといっしょに帰路に着くのは幸せなことだと思っています。

 

ちなみに、最初のモノクロの写真は「出世の石段」ではなく、カーブしているほうの2つ目の石段。

個人的には出世はしてもしなくてもいいかなと思っています。

 

ではまた。